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Hi ShangHi! Day2
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Hi ShangHi! Day 2
写真集から生まれた、新たな出会いと気づき

DAY 02 11/11/2006

アデージョ上海

上海の夜は色気がある。特に黄浦江沿いのエリア、外灘はその中でも群を抜く。100年近い歴史を持つヨーロッパ式の石造建築が立ち並ぶ様は男性的だが、空が暗くなりオレンジ色の街灯がこれらを包み混んだ瞬間、潜在的に潜む女性的な「柔らかさ」が生まれる。

そんな上海の魅力を十二分に堪能できるエリアで、昨日のパーティの成功を祝す懇親会が開かれる。

上海市の指定する保存建築の一つの最上階、5階、6階をリノベーションしたレストラン・バー、「De La Coast」。店のテラスの正面には観光ガイドでおなじみの浦東の高層ビル群が目の前に立ち並び、別の方角を見ると外灘の「色気」を堪能できる。

「この店のメインは夜景。ここから見る夜景は他の店からの夜景と異なるように意識しました。」

デザインを担当したinfixの小川訓央氏は言う。infixは2003年に上海事務所を設立し、これまでライブハウスやレストランといった数多くの物件を手がけてた。

「5階は赤をベースに作られていますが、こちらは窓から見る夜景を意識しました。6階は黒ベース。外から近くで見る夜景を意識しています。」

実際、来場者がエレベーターを降りて、赤一面の壁の奥に広がる景色を目にすると、「おぉ」という感嘆の声が上がった。

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19:00時の魅力

外灘は19:00時になると、一斉に建物のライトアップが始まる。街に一層の華やかさと、色気が備わる瞬間だ。パーティ開始から1時間。黄浦江から吹き込む風が冷たいせいか、6Fにはまだ人を見かけない。どうやらまず「窓からの景色」を堪能したいようだ。

人気の無い6Fで目の前の近代的な高層ビルを見ていると「ここは中国なのか?」という錯覚さえ覚える。

「上海、東京、ニューヨーク。どの都市もそれぞれの国を象徴している気がしないんです。上海は「上海」っていう「場」にいる気がするんです。」

インテンショナリーズの鄭秀和氏は言う。

垂見氏も同じような考えを持っている。

「上海はニューヨークのように街としての独自性が強いので、中国という国単位というより、『都市』で意識しています。」

上海は今後中国の中の一都市としてのポジションを確立していくのか。それとも上海という新たな文化圏を創造していくのか。気になるところだ。

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「黒」の空間へ

20:00時を過ぎると徐々に人が6階に集まってきた。

6Fの1/3のスペースは屋上テラスになっており、上海の空を270度見渡せる。秋の夜風に身体を縮めながらワインを手に立ち話をする人も現れ始めた。




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上海という魅力と、日本の底力

昨日見事な乾杯の音頭をとった中島氏も、お酒を片手に友人との会話を楽しんでいる。両親が上海に住んでいたという中島さんに上海の魅力を問うと、こんな答えが返ってきた。

「とても魅力のある街だと思います。様々な人が集まる街で、混沌とした文化が生まれるのは素晴らしいですね。」

元々は中国料理のお店を立ち上げた中島氏。本場の中国での事業展開の可能性を問うと、

「チャンスがあればもちろん上海でやりたいですね。上海の街はどちらかというとニューヨークスタイルの物が多いが、もう少し日本の物や文化が入っていけばさらに面白くなると思う。そろそろ日本は日本のオリジナルで勝負してもいいのではないかと感じます。」

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日本人としての無限の可能性

乃村工藝社の小坂竜氏も中島氏の意見に賛同する。

「日本のデザインは世界で求められていると思うし、質的にも海外で負けていないと思う。日本は独自の良い文化を持っているけど、デザインとファッションにおいてはこれまでずっと海外から輸入してきた。そろそろ真打ち登場という感じで、日本も世界に飛び出して行くべきですね。」

小坂氏は企業に勤めるインハウスのデザイナーだが、最近自らのセクションを社外に移転。これからは海外の仕事も積極的に受けて入れていくという。

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design goes on.

21:00時もまわり、デザイナー達は再び夜の上海の街へ消えていった。今夜は「辛い蟹鍋」が話題となっているらしい。食の場を創出する空間を手がけるデザイナー。常に食のアンテナを張り巡らせておくことは大切なのだ。

その後、何事も無かったかのように地元のゲストがぞくぞくと来店してきた。彼等はつい15分前まで日本のデザイナーがここに集っていたことを知る余地は無い。だが近い将来、数分の差で行き違いになったデザイナーの作った建築物を通して、「再開」の場があるかもしれない。

一冊の写真集を通じて。Interior Design // Japanを通じて。