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Vol.02
森田恭通 "YASUMICHI MORITA" essence13

森田恭通エッセンス凝縮でお届けする13項です
(2005年10月)



インタビュアー

大原信子(おおはらのぶこ)
株式会社ナカサアンド
パートナーズ
企画室長・上海事務所統括

Photo

「ナカサアンドパートナーズは森田さんのデザイン物件を撮影させていただき、10年になります。弊社恒例の年末パーティでは、毎年華々しいステージを繰り広げていただき、約400名ものゲストが揺れに揺れ、会場のお店もろとも揺れるほどの盛り上がりです(笑)。今年もよろしくお願いします」




01.いま手がけているプロジェクト“87”

まず、ご報告です。ホテル「」(香港)の仕事が決まりました!

ありがとうございます! 念願叶って本当に嬉しいです。

で、いま現在手がけている仕事は……、87件。えらいことになってます。2008年末まで僕のスケジュール、埋まってます(笑!)。

ニューヨークのレストラン「MEGU」の2号店(NY)、東京ビルディングB1・1・2・3階の環境デザイン(東京・丸の内)、サービス・アパートメント(六本木)……。年末に完成予定のテナントビル(六本木)では、最上階2フロアのラウンジをデザインさせていただいていて、そこでは世界一ゴージャスなしょんべん小僧造ってますよ(笑)。楽しみにしててくださいねぇ。大阪では、総ワニ(革)貼り500匹というクラブも。僕がいつも家具を造ってもらっている「COMPLEX」の木村さんは、「森田さん!バナナワニ園より多いですよ!」って、ひっくり返ってましたから(笑)。最近は、空間のデザインとういより建築から手がけている物件が多いですね。年末は国内物件のラッシュです。

原宿の同潤会では2店舗デザインさせてもらってまいます。そのうちの1つでは、世界一ゴージャスなメリーゴーランドをいま造っていますから、楽しみにしててくださいねぇ。ディスプレイにもちょっと仕掛けがあって…これはオープンしてからのお楽しみです。

と、こうやって僕は“ゴージャス森田”“シャンデリーノ森田”(笑)といわれるわけですが、メディアで浮き彫りにされる“赤”“シャンデリア”といった象徴的なデザインだけでなく、「あ、これ森田だ」と誰もわからないような物件も実はすごく多いんですよ。僕の仕事は常にオートクチュールですからね。

そういう意味でとても考えさせられた仕事は、京都のお茶家さん(2006年4月完成予定)。1階にバー、2階にお座敷、3階に割烹、4階はお稽古場です。再生・改築ではなく一から造るというのは、実は戦後初のことなんです。当然、僕にとっても初めての経験で、ひじょうに難しい仕事でした。代々受け継がれてきた伝統的なものを大事にすることは前提ですが、何よりまずひじょうに特殊な世界でしょ。浮世の舞台ですからね。そこはかとなく、やり過ぎずの按配が必要でした。女将は「こだわりを捨てて。“京都”を意識し過ぎたらあかん。森田はんの好きにやって」と。でも、凛とした品格の部分は大事。敷居は高く、でも高すぎてはいけない。芸妓さんたちの妖艶な美しさを引き立てるライティング、ドラマが生まれる予感性……と、入り口からの導引部分に一番力を注ぎましたね。僕が、どこかの若旦那になって通うのを色々と想像しながら(笑)、こんな男の遊びができたらいいなと、一人の男としての感覚で創り上げていきました。ひじょうに難しかった。でも、できました。お茶家さんです。

普段、僕に和のデザインのオーダーが来ることは少ないですね。佐藤一郎さんと橋本由紀夫さんに取られていきますからね(笑)

森田恭通(もりたやすみち)





MEGU(ニューヨーク)



02.海外の仕事に想うこと

海外の仕事は多いですね。3年前あたりから、国内より海外のクライアントの方が多くなりましたね。内容は、住宅、ショールーム、オフィス、レストラン、ホテル……と様々です。

VIPの方たちからの依頼が続いていて。世界のVIPは僕らには理解できないレベルの財産の持ち主で、あら、なんで僕のクライアント『Forbs』出てるのやろ、とか、プレゼンしてて「そういえばお父様は何してらっしゃる方でしたっけ?」って聞いたら「あ、大統領です」とかね(笑)

国内と海外とで仕事の仕方に違いはないけれど、海外の仕事は、僕をバタバタさせないでいてくれるオーダーが多いんです。

例えば、ホテル「」の話。僕はパブリックスペース全部とレストラン、客室をデザインさせていただくんですね。それで、ゾーニングとかレイアウトは最初に全部詰めるけれど、デザインは1年間やるなと言われるんです。世界中を色々見て、1年後のパーフェクションのときにプランを考えろ、と。1年間猶予をくれているんです。すごくありがたいです。

海外の仕事は、どこから何が来るからわからない。いきなりメールで「一緒に仕事しましょう」って来ますから。っていうか、どちらさまです? みたいなね(笑) 国内も海外も、クライアントが“サプライズ”を望んでいることは確かです。

先日はマイアミに行って来ました、日帰りで(笑)。3時間ほど現場を色々見て、無理やり30分だけ昼シャン(シャンパン)して帰ってきましたよ。で、フッとひと息ついたらスタッフに「はい、香港行ってきてください」ってチケット渡されて。(オバチャンの手つきで)大変やねん、ほんま(笑)。マイレージ40万マイル溜まってるらしい。40万マイルなんて見当つかないでしょ。空港のカウンターで、地球何週回れます?って聞いたら「だいぶ回れます」って言われましたよ(笑)



03.インテリア以外のデザインの仕事

いま僕のデザインの仕事には、本職のインテリアと、ジュエリーや時計などアクセサリーのデザイン、という2種があります。

表参道・同潤会のプロジェクトでは、ジュエリーショップのユニセックス・ラインのショップ・デザインと、ジュエリーのデザインも参加させていただいています。

最近もひとつ面白い企画があって。実は、いま時計をデザインしてるんです。国産の有名ブランドの、ちょいワルから激ワルおやじに似合うようなラグジュアリーなのをね、いま作ってるんです。世界で本数限定発売。理想をそのまま通したらすごいことになっちゃって(笑)。結局3分の1以下まで落として、いま色々と進めています。デザインについて具体的なことはまだお教えできませんが、ちょっと、カッコいいですよ。来年の発表なので楽しみにしててください。

ファッション(ウエア)には触れませんが、バッグやジュエリーなどアクセサリー類はこれから色々とやっていきたいと思っています。 



04.僕の大好きな「おっちゃん」仲佐猛

仲佐さん(弊社「Nacasa&Partners」代表・仲佐猛のこと)とはね、もう10年以上のお付き合いですからね。僕が25歳とか、そんな時代からですもん。当時、『コマーシャルフォト』で建築カメラマンたちが作品を載せる企画があって、僕がデザインした芦屋の「イリュージョン」を撮りたいと連絡をいただいたのが最初です。その後、仲佐さんが「面白い店に連れてってやる」って、それで行ったのが「ちゃんと」。岡田(「ちゃんと」代表)とはそれで出会ったわけです。以来仲佐さんは、僕が色々デザインする度に「バカだな〜お前」って満面の笑みで喜んでくれてます(笑)

僕がデザインした物件を仲佐さんに撮影してもらう、という仕事の関係なんですけど、もう何ていうか、自分がノッてる時もそうじゃない時もシチュエーションを選ばず会える人ですね。25歳の時からですから。僕をずっと見守ってくれていて、見てくれていて。いや、お世辞抜きにして、あの人の懐のデカさは半端じゃない。僕もそうですけど、精神的には体育界系じゃなくて“武道派”な人。最近は、お互い忙しくてなかなか会う機会がないんだけど。

あ、今年のNacasa&Partnarsの忘年会、どうしよ。何やろ。また“バカ42年生まれ”3人(森田さんと、野田豊さん「プラン・ドゥ・シー」代表・稲本健一さん「ゼットン」代表のこと)でおもろいことやらんと。去年は松けんサンバでしょ…。あれメイクに1時間ぐらいかかったんだから! もう8月だもん、考えよ。あぁー年賀状も考えなぁあかん。



05.いちばん好きな場所

一番好きなのは、パリ! 男はパリ!

ファッション、歴史があってセンスがよくて、食べ物が美味しくて、シャンパンがあって。

パリの中でも一番好きなのは、「ラベニュー」というカフェ。クリスチャン・ディオール本社の斜め前にあってね、最高に優雅で気持ちがいい。カトリーヌ・ドヌーブみたいなご婦人がいっぱい居て、冬なんて毛皮ショーみたい(笑!)。モデルの女の子たちがアルバイトでウェイトレスをしているようなお店で、シャンパン注いでもらうだけでほんと幸せ(笑)。ロブションの仕事しているから、年に4、5回は行きますね。



06.これまで最も興奮した仕事

これまで僕が興奮した仕事は…もちろん数々あるのだけど。ジョエル・ロブションとの仕事は、ひじょうに興奮しましたね。

初めてやらせていただいたのは、日本橋高島屋の「ル カフェ ドゥ ジョエル・ロブション」。それから恵比寿のシャトー・レストラン「ジョエル・ロブション」もデザインさせていただきました。これまで色々なクライアントにプレゼンをしたきましたけど、彼のセンスは本当に研ぎ澄まされていて、スゴイ!と強烈に感じるものがありました。

初めてのプレゼンは香港で。ロブションのレストランが香港にもあって、いまそこにいるから来て欲しいと。プレゼン道具一式抱えて行きまして。着いたらあちらのスタッフが「今まで色んな方がプレゼンをしましたけれど、ロブションは2分で退席したことも、10分で退席したこともありますが、見極めがひじょうにハッキリした人ですので気にしないでくださいね」って言うわけですよぉ。サラッとぉ(笑)。えぇーっ、もしかしたら俺あかんのかもぉ! って一瞬動揺しましたよね。

僕は、最初の30分ほどはデザインについての話は一切しませんでした。ロブションに対する僕なりの見解を伝えていきました。その後で、スワロフスキーのクリスタルの話に始まり、初めてデザインの話をしていったんです。彼は鋭い目で集中して聞いてくれて、「オッケー!」と、ひと言。それはもう興奮の瞬間です。

でも「1つだけオーダーがある」と、その内容を伝えられ。「明日1時間だけ時間を作るから、それまでにプレゼンの準備はできるか?」というわけです。もちろん「やります!」と答えました。その後はもぅ〜、がんばりましたよ。トレーシングペーパーを持って行っていませんでしたから、レストランのキッチンペーパーを代用して。ロウが塗ってあるからうまく書けなくて大変なの、これが(笑)。で、翌日その部分をもう一度プレゼンしました。またロブションは鋭い目で集中して聞いて……「パーフェクト!」。「フランス人だったら1か月かかる。お前は1日でやった」と。アドレナリンやら何やら、あれは本当に興奮した瞬間でした。




ジョエルロブション(恵比寿)


07.いま、いちばんワクワクしていること

ホテル「」(香港)の仕事ですね! 念願だったホテルですから。僕はレストランと客室、パブリック・スペースを全てデザインさせていただくのですが、本当にワクワクしています。毎日がワクワクです。



08.右手にシャンパン、左手に煙草

シャンパンは好きですねぇ。本当に。ほとんど毎日飲んでます。昼シャンして、夕シャンして、夜シャン。そのまま空が明るくなったら「もう朝じゃん!じゃあ朝シャンね」って(笑)

シャンパンは何年も何年もかけて丁寧に作られて、でも美味しい瞬間はあっという間に終わってしまうでしょう。“儚い”ですよね。儚いものは美しいです。女性がシャンパンを飲んでいる姿も、とてもエレガントですよね……。

そういえば、僕シュバリエを獲ったんです! 勲章をいただいたんです、つい先月。でもそのメンバーは、僕と野田豊(プラン・ドゥ・シー代表)と稲本健一(ゼットン代表)。また“バカ42年生まれ”3人組(笑)。ガラ・ディナーに招待されて行ったのですが、隣にはモエ家の方、そのお隣は「兄はパリの市長です」という方だったり、田崎真也さんがいらしたり、もう周りは完全セレブなのに僕らは“チェレブ”みたいなね(笑!)

でも僕ら本当に日本でモエ(モエ・エ・シャンドン)を売ってますから。野田は日本で一番売ってる男なんです。冗談抜きに。僕の場合は、シャンパンを広めたとういのと、まず自分の消費量がすごい(笑)。シャンパン消費量の国別のデータを見せていただいたら、14位ぐらいの国の数字を、僕は個人で抜いていました(笑!)

最近は、もうだいぶ日常のお酒としてお洒落に飲む人たちが増えてきて、嬉しいですね。シャンパンに桃を入れて飲む。僕はこれが一番好きな飲み方です。次が苺かな。

あと、煙草。大好きです。一日5箱かな。




09.森田恭通のイマジネーション

美しいもの。まずこれですね。美しいもの、というのが根底にあって、それに「こんなのあったらいいのに、ないなぁ。じゃあ創ろう」というのが、僕の発想の基本の基本です。

例えば、綺麗な花が1本花瓶に活けてある。もちろん、それだけでも綺麗なんだけど、ただ花がそこにあるより、後ろにセクシーなランジェリーが掛かっていたり、手前に白いバラがあったりするとより魅力的になるのにな。とかね、バックロケーションをどんどん勝手に作っちゃうんです。今日ヘレナ・クレッテッセン(スーパーモデル)とデートをするとする。レストランへ行く前にあのバーで待ち合わせをして、車をレストランの前に着けて……というように(笑)、シチュエーションがどんどん沸いてくる。で、登場する女性は毎回違うの(笑)。でも必ずそこに女性が登場します。

僕は、1日の仕事の中で、デザインを考えるのは3時間ぐらい。耳からウニが出るんじゃないか(笑!)ってほど考えるから、3時間が限度ですね。その時間はオフィスではなく、喫茶店やブラッスリーのような、日常の雑踏がある場所で過ごします。視界の中でいつも自然に人が動いていて、近くの席で誰かが恋愛の話をしていたり、向こうの方ではお店のスタッフがマネージャーに怒られてたり、日常の様々なロケーションがあるでしょう。デザインのイマジネーションは、そういう時間と場所で沸いてきます。

僕は関西人だけど、チャキチャキッというタイプじゃなくて、ほんとボーッとしてるタイプなんです。周りからは「天然」って言われてますから。仕事も、いま87件も物件があって、一体どんなことになってるのやと思うのですが、バタバタしたくはないし、実はとても自分のペースでやれていますね。毎日どこかで必ず飲んでいますしね。


10.今日は洗濯日和

毎日シャンパンを飲むし、煙草を5箱吸うし。僕の健康維持は、寝ること。睡眠時間は7、8時間。寝ないと頭が働かないですもん。この前ニューヨークに行ったときは、クライアントがせっかくビジネスクラスを取ってくれたのに離陸前に寝ちゃって、僕だけシート直角のまま12時間寝続けましたからね(笑!!!)

あとね、掃除と洗濯。好きですねぇ、ホントに。煙草をよく吸うくせに部屋に匂いが付くのはイヤやから、ファブリーズは欠かせません(笑) 家に帰ると石鹸の香りがしてね、いいんですね! あ、今日は昼から打ち合わせだったんですけど、この取材に来る前に一度家に戻って洗濯してきましたよ。今日は洗濯日和ですよぉ。バスタオルなんて太陽の香りがフワ〜ッとして気持ちいいですよぉ! 洗剤は日本製がいいですね、やっぱり。でも柔軟材は「ダウニー」がいいね。ピンクのがね。香りもいいし、スキーッ!とシワが取れてね。

洗剤とか掃除道具も大好きで、フェチですね、もう。でもしょっちゅう掃除してるから水アカとか出なくて、新しい洗剤試したいのに効果が見えないの(笑!)


11.5年後、10年後の自分

いま、この人と仕事したいなぁ!って思う人が一人だけいるんです。ジョン・ガリアーノです。

(John Galliano:クリスチャン・ディオールの主任デザイナー。服飾史や異国趣味をアバンギャルドに読み替える華麗な世紀末的作風、クチュール的な技術の高さが賞賛を浴びている。モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)での活躍後、ジバンシィの後継者として主要デザイナーに任命、’97年よりディオールの主要デザイナーとして活動しプレタ部門の売上げを驚異的にのばしている)

彼は、僕と同じで賛否両論あるデザイナーだと思うんですね。でも、あれだけブランドそのものの歴史を大事にしながらエキサイティングな仕事をするデザイナーもいない。本当のクチュールを知っている人だと。

僕と同じ香りがする気がします。どういうコラボレーションになるのかはわかりませんが、絶対に一緒に仕事をしてみたい!と思っている人です。

願いは叶うと思っていますから、いつかは叶うんじゃないかな。 

20代でバーのデザインをしてみたいと思い、30代で独立したいと思い……と、これまでも叶ってきましたから。僕はデザインの学校を出ていないから、この仕事を始めた当初はものすごくコンプレックスがあってね。賞を獲ることが目的では決してないけれど、僕がこの業界で自分の世界を創っていくには、まず賞を獲らないことには、というのがあって。「まぐれ」と言われながらその願いも叶い。じゃあ30代で世界一を獲ってやると思い、獲り(「DAIDAIYA HK」(香港) INTERIOR DESIGN誌主催 ホスピタリティーデザイン賞 BEST DINING BAR)。念願のホテルの仕事も(ホテル「」香港)決まりました。

僕の場合、夢は口に出すことやと思ってます。でも狼少年になりたくないから、何とか実現しなきゃ、って思いながらいつもやっています。これまで、正直辛い経験も沢山しましたよ。その経験がなかったら、いまの頭の使い方、考え方も生まれなかったと思う。でも、そういうタイミングの時、僕には必ずいい連れ(仲間)がいた。そうして周りに助けられて、いまこうやって楽しくやらせてもらえている。これが正直なところです。


12.期待と緊張、アドレナリン

いま、僕に対する世の中(業界はじめ)の期待がどんどん高まっているのは感じています。もちろん緊張やプレッシャーはあるけど、性格でしょうね、緊張感を楽しむところがある。ピンチの時ってすっごくワクワクしますもん(笑) 3倍返しでやってやろう!っていうね。

昔は、バントとかヒットを打って喜んでもらえていたのが、今はホームランじゃないと納得してもらえなくなって、更にはさよなら満塁ホームランじゃないと喜んでもらえなくなって。しまいには、新庄みたいに、さよなら満塁ホームランでアウトになる、みたいなオチまでつけないとダメ、みたなね! そこまできてますからね。それは、驚かすようなデザインだとかインパクトとか、そういうものではなくて、やっぱり何か“サプライズ”を求められているからですね。

人生は一回だから。僕は阪神の震災も経験してますし、何でもできると思っています。


13.「2人なんですけど、いいですか?」

これね、去年引っ越した事務所(「グラマラス」芦屋)の話です。それまでとても狭い事務所にいまして、スタッフの椅子獲りゲームみたいな状態になっていたので、物件を探していたところにちょうど知人から連絡をもらって。見たら1階20・地下40で60坪ある吹き抜けで、自由にデザインをしていい、と。で、やらせていただきましたよぉ。 

“シャンデリア御殿”みたいになりました(笑) 個室は作らずオープンな空間にしたかったので、2フロア吹き抜けです。中央に模型を作ったりできる大理石のビッグテーブルがあって、シャンデリアの大きなスタンドが何本も立っていて、赤い絨毯を敷いて。バラの花びらでも散らしたら「星の王子ニューヨークに行く」みたいな状況ですよ(笑!)。僕の席には、スタッフが飼っている犬がほとんど座ってますけど。で、オフィスらしいものは全てカーテンで隠してあるし、僕もよく夕シャンしてますから、外から見るとまるでレストランかバーなんでしょうね。よくいらっしゃるんですよ“お客さん”が。「すみません、2人なんですけど、いいですか?」って(笑) Nacasa&Partnersに撮っていただいた写真がありますので、どうそご覧ください。




グラマラスオフィス(芦屋)


構成・文 山岸英子(フリーエディター)